第4話 TERROR/迫るオニ

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「なんじゃと?ワシが線路や商店街、そこの大通や高速道路を壊したとでも言うのか?そんなわけなかろう!だいいちどうやって…」 「あなたは、"本物"ですか?いや…"人間"ですか?」 「お主…いったい何を言っておる…」 「あなたはここの住民ではない、まして、人間でもない…」 「ほう…証拠はあるのか?言ってみぃ」 「一つ、本物のあなたは今、町内会の温泉旅行に行っていて不在のはず… 一つ、高速道路が襲われたという情報はニュースで報道されていない。 高速道路が襲われたことを知っているのは、そこを襲った本人だ。 そして、決定的な証拠が…」 「襲われた箇所は、この家の近辺の騒音問題の原因… 住民の中で、騒音問題に未だに文句を言っとるのは、ワシだけじゃ… それらが壊されたとなれば、いちばん怪しいのはワシじゃな…」 「やはり…あんたがさっきのドールだったんだな…」 「金棒の味はどうじゃったかの?猫童!!」 部屋のタンスの中から、金棒が取り出された。 頭からメキメキと角が生える。 先程までの痩せ細ったお爺さんは、瞬く間に筋肉質になり、口の牙も大きく、鋭くなった。 変化が完了したドールは、恐ろしい鬼を彷彿とさせる姿。鬼の金棒が良く映える。 『よくわかったのぅ…そう、ワシが壊したんじゃ、この都の耳障りな音を根絶やしにするためにな!!』 「テメェの身勝手な考えで、どれ程の被害を被ったのかわかってんのか!? 絶対に許さねぇ!!」 ポーチから変身ツールを取り出す。 テイルバックルを腰につけ、ベルトが装着される。 「変身!!」 しおり収納本〓マークホルダーからキャットマークを抜き出し、バックルにスキャンする。 【CHANGING CAT】 恭介の側方に、表紙に猫の紋様が入った本が現れた。 パラパラ漫画の要領でページがめくられ、恭介の体を前から後ろへ通過して行く。 最後の1ページが恭介の体を通り抜けると、そこには装甲を身に纏った戦士テイルが睨みをきかせ立っていた。 「"魅せ場"…始めるぜ!!」
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