第4話 TERROR/迫るオニ

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テイルは急いで家を出た。 これは逃亡ではなく、他人の家を戦闘で破壊するのはドールとやっていることが同じだというテイルの正義感からの行動だ。 それとは裏腹に、ドールは家の窓を大胆に突き破りテイルを追う。 テイルが足を止めたのは、崩壊した商店街跡。 これもまた、人を、町を出来るだけ傷つけたくないという気持ちから。 『もう逃げるのを諦めたのか?最近の若いもんは根気が足りんのう…』 背中を向け立ち止まるテイルを、野球のバットでボールを打つように、金棒で振り抜こうとする。 「逃げる?ふざけんな!!」 『うおっ!?』 カウンターの要領で、迫り来るドールに強力な回し蹴りが炸裂する。 その勢いで、ドールは吹き飛ぶ。 「かは…やっちまった…」 ドサッ 地面にうつ伏せに倒れたのは、金棒が直撃したことでベルトが外れ変身が解除された恭介だった。 『フン、今のは驚いたわい…金棒を落としてしもうたわ。なかなかの蹴りじゃな』 「ゲホッ…」 ドールは蹴りを喰らいながらも、すぐ立ち上がり恭介に一歩一歩近づく。 『生身の小僧ならば、金棒でなくともこの拳一発で沈めることは容易いじゃろ…』 「まずい…う…重…」 身の危険を感じ、ドールが落とした金棒で攻撃を防ごうとする。 しかし…金棒はとてつもなく重く、攻撃を防ぐのはおろか、持ち上げることも儘ならなかった。 『生身の小僧にその金棒は扱うことはできん。いや、持ち上げることもできんじゃろう』 「く…おお…」 一歩ずつ、ゆっくりとドールが恭介に迫る。 その足音が、より緊迫感を演出する。 『消えろ小僧!!』 「負けるかぁあ!!うぉああああありゃあああああ!!!」 ズッ… 『何!?こやつ、金棒を持ち上げ…ごぁっ!?』 恭介の意地で発揮された"火事場の馬鹿力"は、金棒を持ち上げた。 そのまま遠心力を利用して金棒をドールにぶつけた。 当たったあとは重みに耐えきれず、金棒は恭介の手から離れてドールの元に飛んでいった。 「ふ…へへ…何とか助かったな…あ、バックルどこいった!? あ、あったあった!よし… 変身!!」 テイルバックルは足元に落ちていた。 それを再び腰につけ、変身した。 【CHANGING CAT】 現れた本の形状をしたエネルギー塊、"トランステイルブッカー"のページを通り抜け、装甲を身に付けた。 『おのれ…猫がぁあ!!』
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