三章 紅雪の姫

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「憎たらしいほどに可愛いなー。このこのー」 「ちょ、ちょっと。やめなさいよ……」  背中に頬擦りなどされると、存外こそばゆい。シャンタルは背後に右手を回し、ネネを押し返した。 「ふふふ。む? アシュメルくんが帰ってきたようですな。じゃっ、頑張ってね。シャンタルちゃん」  それでも強引にシャンタルにひっつこうとしたネネだったが、教室に帰ってきたアシュメルを見つけて、シャンタルから離れる。嫌な笑みを浮かべるネネに、ちゃん付けで呼ばれて、シャンタルの眉根が下がった。 「ちゃんってなによ。ちゃんって」  十六才ですでに結婚できる年齢であるから、十五才の自分にちゃんはないだろうと、シャンタルは不満を小さく漏らした。
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