第一章 暮色

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週末ならいつも家にいる。 知佳がそんな様子だなんて、私は驚かずにはいられなかった。 何があったっていつでも笑っていて、少し抜けているけどそこがまたかわいかった。 好きな人の話になると、二人でいつまでも語り合った。 なんのことはない、例えば気になる人とすれ違ったとかいうだけで報告しあった。 彼女は好かれていた。決して派手に遊ぶことはなかったけれど、休日は私や他の友達と遊んでいた。 中学に入ってから何度か駅で見かけたが、彼女はいつも友達と一緒だった。 その知佳が。 そういえば、彼女を最近見かけない。 ――不登校。 その三文字が頭をよぎった。
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