第一章 暮色

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冷房は旧型で、つけるとすぐに寒くなった。 彼女は布団を一枚しかもっていなかったから、二人でひとつの布団に入る。 密着した距離に、私の胸は高鳴る。息が苦しくて仕方ない。 「裕子は、男の人とはまだなの?」 暗い中、突然の大胆な質問に気が張り詰めた。 「……はい。女性ともまだです」 「あ、そうなんだ」 彼女は驚いているようだった。 「じゃあこれが初めてなんだね。 あ、裕子さ。 あたしの家に泊まるってことはあれよね、いいってことだよね?」 「……」 私は恥ずかしくて、無言で頷く。 金沢リサの指は、今でも忘れられない。 女性を溺れさせることに慣れた指だった。 私は何度も荒く息をもらし、彼女の肩にしがみついていた。 それは未知の感覚だった。彼女の熱い息も、ぐっと迫るような頭を白くさせる何かも。
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