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冷房は旧型で、つけるとすぐに寒くなった。
彼女は布団を一枚しかもっていなかったから、二人でひとつの布団に入る。
密着した距離に、私の胸は高鳴る。息が苦しくて仕方ない。
「裕子は、男の人とはまだなの?」
暗い中、突然の大胆な質問に気が張り詰めた。
「……はい。女性ともまだです」
「あ、そうなんだ」
彼女は驚いているようだった。
「じゃあこれが初めてなんだね。
あ、裕子さ。
あたしの家に泊まるってことはあれよね、いいってことだよね?」
「……」
私は恥ずかしくて、無言で頷く。
金沢リサの指は、今でも忘れられない。
女性を溺れさせることに慣れた指だった。
私は何度も荒く息をもらし、彼女の肩にしがみついていた。
それは未知の感覚だった。彼女の熱い息も、ぐっと迫るような頭を白くさせる何かも。
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