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―手際の良かった少年がいつまで経っても帰って来ないので、鬼畜美少女ことリデルさんは結構心配していました。
「…遅いな。まさかアレを相手にして殺られるなんてことはないだろうに……さては寄り道か?…チッ、帰って来たらグラウンド50周だな」
―…もとい。かなりイライラしていらっしゃいました。
「遅くなりましたー」
「遅い!たった数匹狩るのに何分かかって……!?」
―鬼畜美少女は目を疑いました。
狩りに出る前に比べて明らかに少年の様子が変です。
体中に飛んだ返り血を拭おうともせず
片手いっぱいに戦利品の毛皮を
もう一方には血まみれの棍棒を
誇らしげに掲げ持っていました。
ていうか目がイッちゃってますマジで。
「やー、狩りって楽しいですねー」
「………そ、そうか…」
「こーんなにたくさん毛皮とれましたよー」
「……うむ、それはまぁ、いいとして…とりあえず、体と装備を洗ってこい。頭の装備はその後だ」
「了解でーす」
「………」
―彼の奇妙なトランス状態が解けたのは、一夜明けた翌日のことだったそうです……
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