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真っ直ぐ東に森を抜けるってだけのことがいかに大変か、俺は身をもって知った。
「…うっわ!あぶね~、あいつらアクティブじゃん」
危うく突っ込むところだった。
しかも結構多い。
「囲まれたらひとたまりもないな…しかたねぇ、一匹ずつ地道に倒すか」
というわけで、群れの端にいるのからちまちま狩ってみたんだが…
「げっ!もう復活しやがった!これじゃ通れねぇじゃん…」
道を作るどころか、3匹目を倒し終わるかどうかのところでまた敵が湧いてしまった。
「…突っ込んだ後に何とか撒くか…いやでも、さすがにいきなり死んだら嫌だしな……てか、なんでこんな序盤でいきなり修羅場到来なんだよ…」
しばらく堂々巡りした後、腹をくくって強行突破すると決めた。
「よぉし、そうと決まれば準備体操をば…」
屈伸したり
ぴょんぴょん跳んだり
手首足首を回したり
深呼吸したり
ラジバンダリしていると…
「…おーい。そこのあんた、ここを抜けるのか?」
話しかけてきたのは、俺と同い年くらいの、なかなかの美少年だった。
……俺?
俺は、まぁ………中の上…
だと思いたい……
「ああ、今から走り抜けようとしてたとこだ」
「マジで!?お前根性すわってんなぁ…」
「はっきり言って痛いの大っ嫌いだからできれば止めたいんだけどな…」
「…じゃあ、とりあえずPT(パーティ)組まねぇ?レベルそのものは高くねぇし、2人なら死なずに抜けられるんじゃねぇか?」
おぉ…!
冒険2日目にしてさっそくPT申請が…!
「じゃあ、2人で集中攻撃な」
「おぅ。囲まれたら走るぞ」
「了解」
短く段取りを決め、いざ……
「「行くぜええぇ~!!」」
敵 敵 敵
🏃🏃💨 敵 敵 敵
敵 敵 敵
こんな感じの修羅場をなんとかくぐり抜け…
「生きてる~~!」
「俺らよくやったなぁ!」
何故か無駄に感動しまくってしまった…
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