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力を合わせて危機を乗り越えたのをきっかけに、俺たちの間には友情とか絆とか信頼とか、そんなものがいろいろと生まれたわけで。
「お前ジャックっていうのか。ここら辺で足止め食らってたってことは、お前もあの修練所?」
「あぁ。3日前にチュートリアル終えたはいいけど、なんせアレだろ?何とかレベル上げて少しでも安全に通ろうと思ってな、襲われないようにちまちま狩ってた」
見かけによらず結構慎重派らしい。それに3日も一人でレベル上げに勤しんでたってことは、忍耐力もかなりあるんだろう。
俺はどうもせっかちなとこがあるから、こいつといつも組めればかなり心強いな…
よし、そうと決まれば……!
「…な、なぁ…」
「ん?」
「あの…その……お、俺と…ゴニョゴニョ」
「は?今なんて?」
くそぅ…頑張れ俺!
勇気を出すんだ!!
大丈夫だって…こんだけ仲良くなったんだから断られるとかないって!
たぶん…
「お…お…俺と友達になってくださいいいぃ!!」
【ジャックにフレンド申請しました】
頼む……俺のシャボン玉ハートを壊さないで…
「お、いいね。俺もお前と組みてぇなって思ってたんだ」
【ジャックにフレンド申請が承認されました】
や…や……
やぁったあぁぁ~~ヽ(´∇`゜)。ノ
初フレ希成功!!
「これからよろしくなっ」
「お、おぅ!」
共に狩りに出て、話して、笑いあえる仲間がいる冒険ってのは、1人きりに比べたら何倍も楽しいんだろうな…
「…それにしても、あの指揮官なかなか可愛かったな。性格と言葉遣いに若干問題あるけど」
「やっぱお前もそう思う!?可愛いよなぁリデルさん…」
ちなみに、趣味が合うとなおよし。
そして俺は断じて、断じて変態ではない。
あくまで可愛いものが好きなだけだ。
それだけだとも。
「でもよぉ…俺噂で聞いたことあんだけど…」
「噂って?」
「あの人、半分くらいエルフの血が混じってて、実年齢は50代らしいぜ。裏とれてねぇからホントかはわかんねぇけど…」
ま じ で ?
俺の中の何かが、音を立てて崩れていった。
…まぁ、それならあの言葉遣いも納得か…
あれ…
でも待てよ…?
エルフって…
優しい種族だった気が…
…
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