転職

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ジャックとPT仲間になってからはアクティブの群れに遭遇することもなく、俺たちはあっという間に森を抜けることに成功した。 「あれがソスタルかぁ。思ったより大きいな」 前方に見えるのは、遠目から見ても賑やかなのがわかる程活気に溢れたレンガ造りの街並みだった。 「ここらは初心者から中級者までよく立ち寄るから、それなりの規模があるんだよな。2次転職もここでしなきゃいけねぇし、初級クエストの多くはここで受けられる。そのおかげで店の品揃えも豊富だ。しばらくはここが拠点になるだろうな」 「へぇー…お前よく知ってんなぁ。なんかベテランみたいな語り口調だったぞ」 「まぁ、そのベテランからいろいろ教わったからな。俺の親父、昔はそれなりに名のある冒険者だったみてぇで、俺もなりたいって言ったら手取り足取り教えてくれたぜ」 親父かぁ…… 今ごろ何してんだろうな、あの人… 「…?どうしたルイ、急に黙りこくっ……ハッ、お前の親父ってもしかしてもう…いやごめん本当ごめん別にお前の心の傷に塩を塗ってやろうとかそんなんじゃなくて」 「へっ?いや、違う違う、別に傷とか無「ごめんごめんごめん本当ごめん!ていうか無理すんな、泣きたいときは泣けばいいじゃねぇか!」 「いやだから人の話聞「泣けよ、泣いちまえ!我慢してもいいことねぇって!さぁ、俺の胸ならいくらでも貸してやるから!」 …あれ? こいつってこんなウザかったっけ… 「あのさぁだから「人前じゃ恥ずかしくて泣けねぇってか?辛いとき辛いと言えるのも大事なんだぞ!強がって笑うな!」 だからそんなんじゃないし。 てか某有名歌の歌詞パクるなよ。 「過去の自分を解き放て!きっと親父さんはいつでもお前を見守ってくれてるさ!たぶん!」 「だから人の話を聞けえぇええ!!」 てかたぶんかよ! .
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