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(グラウンドって…どこにあんだよ、ここ室内だぞ。てか100周て…)
そんな心の呟きを押し殺…
「だからタメ口をきくなと言っているだろう!50周追加だ!グラウンドなら裏口を出てすぐのところにあるから今すぐ行ってこい!」
…せてなかった。
うっかり口に出していたらしい。
それにしても…見た目に似合わずスゲェ鬼畜だなこの人。
でも可愛いから許す。
「…すみません、以後気をつけます。あとできればランニングじゃなくてチュートリアルクエストがしたいです。どうかご指導よろしくお願いします」
そう言って大人しく頭を下げた。
こういう礼儀は大事だからなうん。
「…ふむ。一応最低限のマナーはわかるようだな。いいだろう、特別にランニング無しで指導してやる」
目付きが少し優しくなった。
機嫌直しにはなんとか成功したらしい。
「私の名はリデル。この修練所の指揮官だ。初心者どもに冒険のイロハを叩き込むのが仕事だ。お前の名は?」
「ルイです」
「うむ、ではルイ。さっそくだが修練所のすぐ近くで群れている雑魚モンスターを狩ってこい。3匹も倒せれば十分だろう」
雑魚モンスターって…
間違っちゃいないんだろうが…
「なに、心配するな。よほど才能がない限り死にはせん。肩慣らしのつもりで行ってこい」
「…あのー」
「ん?質問か?戦闘はモンスターをダブルクリックすれば自動的に…」
「そうじゃなくて…モンスター名とかは…」
「あぁそれか。わざわざ聞かんでも修練所の周りには他にモンスターはおらんからすぐわかるだろう。それに倒すべきモンスターを見極めるのも大事な訓練だぞ」
「…わかりました。行ってきます」
ちょっと大雑把だけど、武器の装備の仕方とかメニューの開き方を一から教えてくれるバカ丁寧な指揮官よりは気が合うかもな。
…若干不安だけど…
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