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なぜか知らんが。
戦っていたあの時とは違い、今は、この腕が人を斬ることもなくなった。
そのおかげで、少しは人と一緒に居ることができる。
あの戦いの後、私は龍神に取り込まれるはずだったのに、応龍が誰かの強い祈りを聞いて、私を、地上に戻した。
人間として。
その祈りが誰のものかは分からないけれど。
どうして、誰が、私を……。
私は、多くの罪を背負っている。
多くの人をこの手にかけてきた。
そんな私が生きていていいはずがない。
人の命を犠牲にしたことも知っている私には、辛い……。
このことは、誰にも話すことはできない。
いや、信じる人はいないだろう。
時空を越えて、過去に行って、戦をしてきたなんて……。
でも、その傷や、会った人たちの事は、しっかり覚えている。
良い人も、悪い人も、何か事情を抱えて生きていた。
私も……。
体や心の残っている傷を負ったことは後悔していない。
なぜなら、その分、仲間の命が守れたからだ。
死ぬ運命を変え、今も生きている。
それは、将臣、譲、望美も含まれている。
ただ、その死を夢で見たときは、本当に、どうすればいいのか分からなかったけど……。
その時、必死にあがいてきてよかったと思う。
守れたから。
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