94人が本棚に入れています
本棚に追加
/232ページ
「菫さんは大丈夫ですか?」
裁縫屋が納豆屋に話しかける。納豆屋は大丈夫だ。とだけ言う。
「裁縫屋、私達は死ぬ覚悟を持ってこの地に向かった。心配するのは、戦士に対する侮辱に等しい」
十露盤屋の言葉で、俯く裁縫屋。磁石屋はそれを横目でみていた。
「気に病むな。普通の女の子なら仲間を心配する。仕方ないことだ」
磁石屋にしては珍しく、真冬以外の女の子に優しい。
そしてワゴン車から四人はおりる。ここからは、車では登れない場所だ。
「本当にこの先か?」
「ああ、アルハザードのランプが正しければ、頂上にいる」
「登山かよ」
ここから、四人の厳しい登山が始まった。もともと体力のあるメンツだったから、特別苦もなく、あっという間に頂上付近まで辿り着く。あっという間と言っても、平均より少し早いくらいだが。
「早かったな」
「グロース、貴様ぁあ!!」
納豆屋がいきなり仕掛ける。グロースは左に平行移動して納豆鞭をかわす。
「そうだ、その覇気だ納豆屋」
最初のコメントを投稿しよう!