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----グロースの見張りを裁縫屋に任せて、納豆屋、十露盤屋、磁石屋の三人は頂上に立てられた異質な形の建物に入る。こんなものいつできたのだろうか?
「ドアは俺が反発でぶち破る」
磁石屋が手を添え、ドアは内部に向かって吹き飛ぶ。
三人が見たものは、一人の仮面の男。
「きたな、不平等な世界の戦士達」
「お前がアブホースだな?」
アブホースの後ろには、壁に貼り付けにされた女がいた。チューブみたいな管がたくさん体についている。銀の鍵が消えない為だろう。だが、これは酷すぎる。
「真冬!? 今俺が助ける!」
磁石屋が一目散に走り出す。だが、アブホースが立ちはだかる。そして銀の鍵を使用した。
「気を付けろ。銀の鍵は所有者以外の人間が使うと、化け物を生み出す力を持っている。さっきの蛇も同じ理屈だ」
「世界各地に化け物が見つかるのはどう説明する」
十露盤屋が問う。すでに世界各地の情報をワゴン車のラジオで聞いていたのだ。
「それは、私から説明してあげましょう。レンのガラスを御存知ですか? 我々はそれを使って世界各地を自在に行き来できるのです」
「あの町に来てマイノグーラが撤退する際に突然消えた理屈はそれか」
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