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私が目覚めたのは、二月になってすぐだった。病室にはミヨとミレが私を泣きながら抱き締めてきて、実は体に痛みが響いたけど、心にはもっと心地の良いものが響いた気がする。
「みんな、ただいま」
「おかえりフユ」「おかえりなさい」
私が退院してもなお、呉羽は私をデートに誘ってくるけど、呉羽は来年から就職活動があるでしょ? と言って一蹴。私は久々の大学に通おう。
「そうだ! 私一月の間一度も地元の親友にメールしてないじゃん!!」
私は前まで、日に二回のペースでメールしてたから心配してるはずだ。
「なんて名前の親友ですか?」
「水戸光美【ミト ミツミ】だけど?」
そう言うと、ミレがクスクスと笑う。名前に心当たりがあるのか?
----真冬が退院した頃、納豆屋は町の墓場に一人で来ていた。墓石には、鈴木美鶴と掘られている。
「美鶴、お前が大好きだったこの町これからも守ってやるからな。最初はお前の妹が所有者だと思ってたが違ったよ。去年出会った女だった。そいつからは不思議と守りたいと感じた。そうしてたらそいつ所有者だった」
すると、後ろから誰かが近づいてくる。
「光にぃ、まだ美鶴さんのこと」
「光美か、そう言えばお前はどうやってこの町に俺達がいることを知った」
納豆屋の問いに、光美は自身のケータイのディスプレイを見せる。
「親友からのメールです。そこに納豆大好き野郎と言う文字を見て駆けつけました」
メールの送信者の名前の欄には、仲間真冬と表記されていた。そしてちょうど真冬からメールが届く。
「おや? なんでしょーかね?」
メールには、我、復活なりぃ! 入院してました。と書かれていた。
「知ってましたが、真冬にはバレてませんので驚いた内容にしましょう」
「ああ、それがいい」
~~Fin~~
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