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暗い部屋の片隅で机にうなだれている男がつぶやいた。
「この国は腐ってる……どうしようもないゴミ共の集合体だ。
ただ起き、食べ、寝る。それだけの為に生まれて来たかのようにただ同じ事の繰り返しを死ぬまで続けていやがる
そのうちにカミサマの怒りに触れててこんな腐った奴らになったんだ。」
しかし思いついた様に笑いだした。
「クックックハッハッハ、しかし俺は違う。
俺をこんなゴミ共とは違う。
俺はカミサマから直々にこの国を立て直すよう言われ生まれて来たのだ。
ハッハッハァ!そう、俺は神の子なのだ!」
男の妄言が強くなってゆく
「この世を立て直すのに野蛮な力など必要無い。悟りを開き、教え、大衆を引っ張る統制力も必要無い。
この世を立て直すのに最も必要なのは文学だ!俺はカミサマからこの世で一番必要な文学の力を貰いこの世を修正する為に生まれ来たのだ!」
彼の名前はティル。
もうじき35になろう売れない作家だ。
「なのに何だ!!俺の本がつまらない?ふざけるんじゃねぇ!貴様の様なゴミに俺の高等さがわかる訳がねぇんだ!ゴミのくせに批判しやがって!畜生!門前払いの様な扱いしやがって!俺は貴様等の様なゴミとは違うんだ!」
数々の出版社に作品を持って行ったが、審査はおろか話しすら聞いて貰えなかった。
ティルは焦っていた。
この本が売れなければもう家族も養ってはいけない、貯金はとうに底をついた。
「畜生ッ!ぶっ殺す!この世など無意味だ!消えればいい!俺の素晴らしさがわからない奴などみんな死ねばいいんだ!」
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