序章

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少し悩んだ様子を見せてティルは小さく呟いた 「…………したい」 (あぁ?何だ、聞こえないぞ?) 「……復讐したい。この俺に…恥をかかせた事を後悔させてやる!」 (ハッハッハ!そうか、ならば俺の手を取れ、すべてが変わるぞ!) 「取るさ!俺はこの世に、国に、人間に復讐するんだ!俺を愚弄した奴らめ、殺してやる!」 (さあ!) 「あぁ!」 ティルは頭の中にいる『俺』の手を取ろうと近づきようやく始めの違和感の正体がわかった。 『俺』には角と黒い尻尾が生えている。 そして『俺』が本当は何なのかわかった様な気がしたとき、乱暴に腕を捕まれた。 ――――――ガシッ? 同時にこの世の物とは思えない程暗く、悪意に満ちた声で最後にこう言った。 「捕まえたァ」 俺の頭の中に浮かんだ『俺』は 鬼だった。
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