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「最近、学校で変な噂を聞きました……」
「噂、オーナーがロリコンだってこととか?」
咄嗟に切り返したバレッタの頭を律はど突いて、彼女に続きを促す。
「え、ロリ……」
「違うからね」
ですよね……、と半ば気落ちした種島は気を取り直すと記憶を頼りに話し始めた。
「なんかここ数週間前かららしいんですけど、『神姫狩り』って呼ばれるようなことをしている人がいて、危ないらしいんです……」
『神姫狩り』って、なんか。
「オヤジ狩りみたいな?」
律を代弁するように口を挟んだバレッタの言葉は、先程よりも重みを帯びている。
アネモネも既にその話は知っていたようで泣きそうだ。
「具体的にはわからないんだけど、ね」
バレッタに苦笑を混ぜて種島は首を傾げる。
律はそれを眺めつつ、そういえば夜の客足が減ったのは3週間前からだった、と考えていた。
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