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『……あるサイトで神姫を破壊した数を競っている集団がいるの、【saint】と名乗っているわ』 「……おいおい、ついさっき種島さんから聞いたぞ。噂じゃなかったのか?」 声を荒げると棚を物色していた客が目を白黒させていたが、気にしない。 「んで、それの話を伝えてきたってことは」 『ええ、まだ小さなグループだけど。その中の一人がアンタの住む周辺で犯行を5度、重ねているわ』 それを聞いて背筋が凍る。 どんな風に神姫が壊されるのかは知らないが、5回。それが行われていると思うと恐ろしい。 と、同時に手に力が篭り、携帯が軋む。 『とりあえず、アタシの後輩がそっちで駆けずり回ってるから……いえ、気休めにもならないわね』 無言の律を察して、真紀が言い淀む。 あの真紀が真剣に彼を心配するのは、まだ片手で数えるほどしかない。 『周り、気をつけなさい。その間に私がさっさと片付けるから』 「任せたよ」 通話を終えた携帯に向かって、律はそう呟いた。 .
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