♭1

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普段は温厚なくせに、と思っていると赤い頭がコチラに突っ掛かってきた。 「おい店員、ここの箱は細工でもしてあんのか?」 彼女が言う『箱』とは武装神姫の本分である闘いを可能とする大きな立方体の機械のことだ。 最大4人が同時対戦可能だか、基本は一対一である。 そんな箱を指差して不満げに眉を潜める彼女に律は頭をかいた。 「細工なんてしていません、何か不都合でも?」 尋ねると、森太郎の手の平にいた犬型ハウリンのシバがおどけた調子で言う。 「そこの女、オレに勝てないからってやきもきしてんだよ!」 「んだとコラァ!!」 「ちょいちょい!!」 睨み合うシバと女子高生の間にバレッタがすかさず体を入れる。両者の間で視線が電気を帯びているようで見ていてかなりおっかない。 律はバレッタに頑張ってもらっているすきに森太郎に目を向けた。 .
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