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部屋に入ると律は靴を脱いでそのままテーブルの上のパソコンを起動。
「先に休んでていいぞ」
接続されっぱなしの神姫用の充電器であるクレイドルを指してバレッタに告げる。
「そう?私はまだ平気だよ」
言いながら、さりげなく左腕を背中に回すのを律は見逃さない。ずい、と律は指先を彼女の額に押し当ててそのままクレイドルに座らせた。
「スキルの威力とエリューニスが突っ込んできた衝撃で左手が心配なんだよ」
「……う」
そもそも神姫を扱うお店なわけだし、と続けながら律が言うとバレッタは恥ずかしいやら悔しいやらを顔に浮かべたが、大人しく腰を降ろした。
「んもー、そうゆう気遣いは人間の女の子にしてあげなよね…………」
「年中無休の紳士にこれ以上頑張るのは難しいなぁ」
小声で呟いたはずのバレッタの言葉は、残念ながら律の耳に届いてしまったようで、
結局、バレッタは自ら深く目を閉じてスリープモードに入るのだった。
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