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家を出発してから数十分といったところだろうか?
玉木さんが話していたホテルに到着していた。
……すごいホテル。私でも知ってるくらいなんだから、泊まったらきっとめちゃくちゃ高いんだろうなぁ。
などと考えている横を、大きなサングラスをした若い男性が通り過ぎる。
……芸能人なのかな?あの格好。ホント、すごいとこ来ちゃったよ。
ため息が一つ零れ、表情が少し曇った。
「川口様、こちらのラウンジで社長がお待ちです。これからご案内致します。おや、顔色が優れないようですね。大丈夫でございますか?」
「…場違いな所に来てしまった気分で気後れしています。本当に私で良かったのでしょうか?」
玉木さんは優しく微笑み、
「貴方様でなければダメなのでございます。どうぞお引き受けくださいませ。」
と相変わらず丁寧に答えを返してくれた。
……こんなに親切にしてくれてるのに、困らせちゃ申し訳ないね。
覚悟を決めて、玉木さんに導かれるまま歩を進めた。
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