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一流ホテルに誰もが聞いたことのある企業、運送業など他職種のパンフレットが数冊入っていた。
…何のパンフレット?
車が進む間にパンフレットの内容をチラチラと眺める。
これらの企業の関連性なんて聞いたこともないし、と悩んでいると、運転している男性から声が掛かる。
「これから向かうのは、そのパンフレットにあるホテルです。川口様のお仕事は社長の身の回りのお世話、といったところでございましょうか?」
表情は伺い知れないが、やんわりとした声色で話し掛けてくる。
「そうですか。」
…社長のお世話って。秘書とかそういう人がいるんじゃ?
「でも、私秘書なんてしたことないですよ?スキルも資格もないし…。」
改めて聞いてみると、フフッと笑いながら返事が帰ってくる。
「大丈夫でございますよ。資格などいりません。あなた様が傍でサポートしてくださればそれでいいとのことでしたよ。」
…どうして私だったんだろう?
疑問は拭いきれず、胸の中に抱えたままだった。しかし、これ以上この男性に聞いても、社長に、と言われそうだと思い、聞くのを止めた。
せめて名前くらいは聞いても、と思い、尋ねる。
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