日常的生活

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部屋は業者によって すっかり片付けられていた。 『あとやることと言えば 挨拶くらいか』 粗品の入った袋をもって隣の家のドアホンを押す。 ベルの音が響く。 … …… ……… ………… 留守かな? 仕方ない先に 右隣の人にしよう。 ベルが鳴る ……… ガチャ 『…はい…』 出て来たのは 同い年くらいの少女だった。 家の中にいるのに 帽子とマフラー おまけにマスクを つけている。 その癖に半袖、短パンの 季節感の全くない服装だ。 『えと…あの…』 あまりに妙な格好 過ぎて言葉を失った。 『新入り?』 『う、うん…あのこれを…』 粗品を袋から出そうとしたら 手を捕まれた。 『粗品要らない。 ここの人で喜ぶの 401号室の人 だけだと思う』 『?』 『じゃあね』 その後全員の部屋を回ったけど誰も出なかった。 全員留守ってのも変な話だけど…。
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