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自分自身が理解出来ない。だから叶多の言い訳を聞きたい。その事実は、私にとって、幸か不幸か。 それでも、 「この近くにホテルあるんだけど予約してたんだ」 「…え?」 「だから少し千秋さんにお願いしてバイト代フンパツしてもらった」 「あ、のさ…」 「何時も安いのしかご馳走出来てなかったし」 やはり、叶多は言い訳をしようとはしない。 それを口にしたら自分が不利になるからだろうか。今更隠しようがないではないか。 右手を差し出され、「繋いでもいい?」と相変わらず私を優先する叶多の手を握り、叶多が予約したというホテルへと足を運ぶ。 フロントでチェククインをした叶多は鍵を揺らし、エレベータへと私を促した。最上階近くの部屋は、スイートルーム…とまではいかないが、部屋の窓からは海が一望出来た。 丁度夕方に差し掛かり、夕日が海に映り、その暖かなオレンジ色が綺麗だと思った。
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