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叶多は、自分だけのものにしたい程に私が好きで“そういう行為”を望んでいる。 私自身も、叶多だけのものになりたくてそれを望んでいる。 人にとっての初めては別に構える程の事ではないのかもしれない。心がそう望んだ時に自然と経験するものなのだと思う。 「うん。泊まる…」 「…由依、」 「叶多の部屋に泊めて?」 妄想族の私からは想像出来ない程にスムーズな回答が出来たと思う。 叶多の家に着いたのは深夜3時を過ぎた頃。まだ 薄暗い部屋の中に入った途端、心臓が大袈裟に活動を始めた。 何か、話をしたら緊張がなくなるかもしれないが、この状況で何の話をすればいいのかわからない。 ベッドに座る叶多と立ち尽くす私。 叶多が手招きをして、やっと足が動き出す。両手を優しく握り、やはり私は見つめられていた。 「由依子さん」 「は、はい!!」
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