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私には決して似合わない色が、私の掛け替えのない色になって行った。
こんな私でも綺麗になれる。女として産まれてよかったと、心の底から思えた。
モノクロームの人生が、色とりどりの世界に溢れていく。
「由依子」
「紗耶!オメデト」
「あー…、肩凝った」
「コラコラ」
花嫁らしからぬ紗耶は首を左右に曲げては凝ったという肩をグルグルと回している。
披露宴の時は目の前にある豪華なイタリアンを食べれなかった事が余程辛かったのか、その片手にあるお皿にはお肉料理がたっぷりと乗せあった。
「由依子、最近どうなの?」
「どうって、何よ」
「あんたまだ仕事一筋に生きてるんじゃないでしょうね」
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