第一章

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カイルは考えていた。 (……どうしてこうなったんだっけ。) (というか、これからどうしよう。) カイルは、座り込んだまま、視線を上げた。 何人かの若い青年がこちらを見下ろしている。 「何黙ってんだよてめぇ!」 「さっさと金出せっつってんだろ!」 「ぶん殴るぞこらぁ!」 「ヒイッ!」 (怖い怖い怖い怖い怖い!) (でも僕、お金ないんだよなあ……。) カイルは旅の途中で、毎日野宿の一文無しだった。
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