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きっと…この二人にもあるんだね… 心の…傷…。 周りの子どもたちも皆、両親がいなくてここにいるのに、 何故か優ちゃんと秀ちゃんの寂しそうな顔が無性に気になった。 後に聞いた話で、この施設は、比較的小規模で、ほとんどの子どもが赤ん坊の時預けられていたらしく、全く両親を知らないらしい。 しかし、あの二人はあたしと同じように両親と住んでいた記憶がある。 温もりを知ってる……。 時折見せたあの表情もその寂しさからなのだと、今なら理解できる。 同じ傷を持つあたしたちが仲良くなるのに時間はかからなかった。
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