ギャップ萌え対決

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3、大人じゃない彼 「…あかんわぁ」手をつなぎたくても、自分から行動を起こせないヘタレな白石。 「どうかしたん?」 隣の彼女が心配そうに俺の顔を覗き込む。端正な顔立ちやなぁ って改めて思うわ。 「………っや!なんでもないっ!」 両手をぶんぶん振って否定する。 言える訳ないやろ。 自分から行動起こせへん なんて。 <謙也は相変わらずヘタレやなぁ> <ええか、財前!女っちゅーのはな…> あんな熱弁しとった自分が恥ずかしいわ。 「…あかんわぁ」 あと数cmの距離がやけに遠くて、俺は人に言えんくらいヘタレやったことに気付く。 白石蔵之介は、大人で余裕があって更にはエクスタシーな男で通ってんねん! 女の子一人に戸惑うなんて一生の不覚や… 「…ねぇ」 ふと彼女が俺を呼んだ。彼女は不安そうに俺を見つめ泣きそうな小さな声を出した。 「なにがあったか知らんけど、いつでも話してな?話聞くぐらいしかできんけど」 あぁ、 これが中学3年生の恋愛ってもんとちゃうんやろうか、と思えた。 「………蔵?」 「…せやな。焦ったらあかんわ。ゆっくりゆっくり成長しよなっ!」 俺の一番大切な人が、彼女で良かった。 なぁ謙也… ヘタレっちゅーのもたまにはええな。 - END -  
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