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「ありがとう不二!助かったよぉ~」
君は一途だね。
嬉しそうにメモ帳を持ってピョンピョンと喜ぶ姿に僕も思わず笑みをこぼす。
「これで明後日の誕生日もバッチリだよ!ほんとに不二のおかげ!!ありがとう!」
「僕はなにも…君が選んであげるものならなんでも喜んでくれるよ」
少なくとも僕は喜ぶよ。
彼女と話していると、いくつも言葉を飲み込まなくちゃいけない。だが君が無邪気に笑って見せてくれるから苦にはならない。
「ありがとねっ!喜んでくれるといいな~私のことを好きになってくれた、唯一の人だから………あっ、」
君は蟻が砂糖を、…いや迷子が親を見つけたときのような笑顔で僕の側を離れた。
憎い、なんて思ったことはない。
君も彼も僕にとっては大切な存在だ。
「英二!明後日さ、…」
僕は君の背中に問いかけよう。
いや、伝えておこう。
僕も君を愛していたよ、と。
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