第一部 美代子 Side

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キャンプの提案は良いとして、それに必要な道具をどうするのか、それを心配する二人がいた。 「真中にぃ!!キャンプはテントや寝袋が無いと出来ないぞ!!」 「私もそれが気になっていました!」 一人は渡辺魅子(ワタナベミコ)桃代の妹で中学一年生。名前の後に真中なら『にぃ』実の姉である桃代以外の女の子には『ねぃ』と付けて呼ぶのが特徴的だ。 そして白川子乃美(シラカワコノミ)彼女は礼儀正しい物言いが特徴的である。 「ふっふっふ....。」 心配する二人に対して、得意げに笑う真中。 「実は先日の会合の時に村の倉庫を片付けたんだ。その時にテントとバーベキューに使う道具一式があったんだよ!」 「さすが真中にぃ!!」 魅子に褒められる真中は「いやぁー」等と言いながらも、鼻高々と自信に満ち溢れていた。 ――それもつかの間。 肝心な物を忘れている事を美代子に気付かされる。 「テントとバーベキューの道具があるのは分かったけど、寝袋は?」 「...あ....。」 言われて初めて気付いた真中だった。完全に忘れていたのか、口を半開きにした間々動かなくなる。 「忘れてたのね?」 彼の様子を見て、やれやれと美代子は首を横に振った。 「夏場だし寝袋無くても大丈夫だろ?」 「大丈夫な訳無いでしょう!?夏場でも此処は山の中だし、それに川辺だと夜は冷えるわよ!」 もっとも、と美代子は付け加える。真中も正論を突き付けられて、反論すら間々ならない。先程までの自信は何処へやら....しょんぼりと気を落としていた。
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