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キャンプの提案は良いとして、それに必要な道具をどうするのか、それを心配する二人がいた。
「真中にぃ!!キャンプはテントや寝袋が無いと出来ないぞ!!」
「私もそれが気になっていました!」
一人は渡辺魅子(ワタナベミコ)桃代の妹で中学一年生。名前の後に真中なら『にぃ』実の姉である桃代以外の女の子には『ねぃ』と付けて呼ぶのが特徴的だ。
そして白川子乃美(シラカワコノミ)彼女は礼儀正しい物言いが特徴的である。
「ふっふっふ....。」
心配する二人に対して、得意げに笑う真中。
「実は先日の会合の時に村の倉庫を片付けたんだ。その時にテントとバーベキューに使う道具一式があったんだよ!」
「さすが真中にぃ!!」
魅子に褒められる真中は「いやぁー」等と言いながらも、鼻高々と自信に満ち溢れていた。
――それもつかの間。
肝心な物を忘れている事を美代子に気付かされる。
「テントとバーベキューの道具があるのは分かったけど、寝袋は?」
「...あ....。」
言われて初めて気付いた真中だった。完全に忘れていたのか、口を半開きにした間々動かなくなる。
「忘れてたのね?」
彼の様子を見て、やれやれと美代子は首を横に振った。
「夏場だし寝袋無くても大丈夫だろ?」
「大丈夫な訳無いでしょう!?夏場でも此処は山の中だし、それに川辺だと夜は冷えるわよ!」
もっとも、と美代子は付け加える。真中も正論を突き付けられて、反論すら間々ならない。先程までの自信は何処へやら....しょんぼりと気を落としていた。
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