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ー5年前……。ー
この日はすごく乾燥している日だった。
「よぉ。
ダブル風!
今帰りか?」
眼鏡をかけた、紺の学ランをきた背の高い少年はランドセルを背おった小さな男女の双子に話し掛けた。
三人はそれぞれ家路へと向かっていた。
「あ、カオルお兄ちゃんこんにちわ!」
双子の女の子は無邪気な笑顔を向けた。
「風華ちゃんは可愛いなぁ~」
カオルお兄ちゃんと呼ばれた少年・壹檎 カオル(いちご かおる)は少女・空野 風華(そらの ふうか)の頭を撫でた。
「ロリコンか?」
双子の片割れの少年・空野 風雅(そらの ふうが)はカオルを冷やかす。
「ハッハッハッ!
兄妹でもえらい違いだな!」
風雅の言葉を気にするでもなく、カオルは呑気に笑う。
「風雅パーンチ!」
カオルの脇腹に風雅は思いっきりパンチを入れる。
「いてっ!
おまっ……!」
さすがに痛かったのか、カオルは脇腹を押さえてる。
「ギャハハ!
怪人カオルルルが怒った~!」
カオルをからかいながら、風雅は走って家へ帰って行った。
「……ったく」
風雅の走り去る後ろ姿を見ながら苦笑いをした。
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