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「……やっぱり、それには『お父さん』が必要よね?」
そう言うと、風華は何気なく棚に飾られている父の写真を見た。
「俺達は『お父さん』を知らない。
俺達が産まれてすぐに死んじゃったからな」
風雅は淡々と話す。
「そうよね~」
相槌を打ち手を止めていた風華は、作文を書きはじめた。
「なぁ、風華。
何か焦げくさくないか?」
クンクンと鼻をならし、風雅は匂いを嗅いでいる。
「そう?」
風華も同じように匂いを嗅ぐが、何も感じない様子である。
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