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ボンッ!
風雅と風華が話していると、突如大きな爆発音と共にリビングの後ろにあるキッチンから火が上がった。
「キャーッ!」
風華は驚き、風雅にガシッとしがみついた。
「風華!
くそっ!
何なんだよ!」
しがみついてきた風華を守るように抱きしめたが、風雅は恐怖から足がすくみ動けなくなっていた。
バリン!
硝子の割れる音と共に、カオルが部屋へ入ってきた。
「風雅くん!
風華ちゃん!」
カオルは二人を抱き抱え、渾身の力を振り絞り入ってきた窓から表に飛び出した。
「カオルおにいちゃん!」
カオルに助けられた事に気付き、風雅は声をあげた。
「ゲホゲホッ」
煙を思いっきり吸ったカオルはむせ返った。
「大丈夫か?!」
ガラガラの声で、カオルは二人の安否を確認する。
「怖かったよ~」
助けられた風華は、カオルに抱き着いた。
「カオルお兄ちゃんどうしてここに?」
風華とは反対に、意外にもパニックになっていなかった風雅はカオルに尋ねた。
「心配で見に来たら、家から火が出ていて……。
とにかく、無事で良かった……」
風華を優しく抱きしめながら、カオルは安堵の表情を浮かべた。
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