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「あ~!
家が!
家が燃えちゃう!あ~ん!」
燃え盛る炎の中に飲み込まれていく家を見て、風華は泣き叫んだ。
「風華!
泣くな!
二人で家が元に戻るように祈ろう!」
さすがの風雅も現状を目の当たりにして、パニックになったのか妙な事を言い出した。
「うん!」
訳のわからない状態になっている風華は、風雅と共に手を握り祈り始めた。
「祈ったとこで元には戻らない!
火が回る前に早く逃げよう!」
二人の手を引き、カオルは避難するように言う。
パアアァァ!
二人が祈り始めて、ものの数秒であたり一面にまばゆい光が広がった。
「!?
火が消えた!!
家が元に戻ってる?!
こんな非現実的な事あるのか?!」
光がおさまり、漸く見えるようになった目でカオルは目を懲らして見つめた。
「風華!
見ろよ!
火が消えて元に戻ったよ!」
風雅は感極まり、風華の手を握りしめた。
「あたし達の祈りが通じたのね!」
涙でぐしゃぐしゃになりながらも、風華は満面の笑みを浮かべた。
そんな、二人と今の現状を見てカオルはあんぐりと口を開けている。
必死で自分の中で物事を理解しようとしていた。
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