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少女は子供達の身体の状態をチェックした。
見受けられるのは打撲と擦過傷で深刻なものは無い。
それも殆どは逃げる以前に負ったものだ。
むしろ深刻なのは疲労ち栄養不足だろう。
少女は粗末なボディバックからハルヴァを出して、腰から抜いた中型のグルカナイフで切って皆に分け与えた。
ハルヴァは穀物、胡麻、野菜、または果物に油脂と砂糖を加えて作られる菓子で、東はバングラデシュから西はモロッコまでの広い地域で主に食される、地味な見た目よりはカロリーの高い菓子だ。
ナッツ類やドライフルーツ等を練りこんだりするが、少女のは胡麻を練りこんでいた。
子供達は咳き込みながらも貪り食った。
一欠片を咀嚼した先から、少女もエネルギーに還元される気がした。
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