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宵の藍色が山裾の影から忍び寄っていた。
暗くなる前に川まで辿り着きたい。
自分は夜目が効くので問題は無いが、子供たちの場合そうはいかない。
親はわからずともこの能力だけは感謝していた。
「あそこにある大きなアカシヤから川に降りて。ボートが待ってるから。」
タンタンが指差した先には盛り上がった大木の陰影が浮き上がっていた。
足元を探りながら川に降りると、25フィート前後の粗末なキャビン付きボートが停泊していた。
甲板にランタンをぶら下げた人影が見えた。
岩場に掛かったジュラルミン製の渡し板を指差す。
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