Capital division

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駐車場の東側を走る環八通りは、東南アジア諸国の連想させる渋滞を引き起こしてピクリとも動かない。 ドライバーの苛立ちを象徴するように、ひっきりなしにクラクションが鳴っていた。 何処かの拠り所に避難するためか家族連れが見受けられる。 時折入る他の部隊報告によると、アクアラインのトンネルを塞いで倒壊した海ほたるの死傷者数が突出して桁を増やしていた。 自衛隊の死傷者は唯一そこだけのようだ。 反して警視庁は警視庁第二隊と神奈川県警のSATが壊滅し、唯一の生存者も重体だ。 様子を確認に行った警らの巡査もトラップで殉職している。 後から加わった自衛隊の殉職者が少ないのは当たり前だが、森実は微かな違和感を感じ始めていた。
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