Prologue

2/4
前へ
/1076ページ
次へ
闇から群青に変わるグラデーションと欄干のイルミネーションが飛ぶように流れて行く。 2011年1月 レインボーブリッジAM5:00 V12の咆哮が鳴り響いてるにも関わらず、ナビシートでは栗毛の女の子が安らかな寝息を発てていた。 しなやかな体躯の長身をセミバケットタイプのドライバーズシートに収めた男は、内ポケットから一枚の紙を出すと少し眺めて『Chu!』とKissをする。 大手外資系銀行が発行したCheck(小切手)で、少なくない0が並んでいた。 ポケットに収めてスポーツタイプの小径ステアリングを握り直す。
/1076ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5327人が本棚に入れています
本棚に追加