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「敵襲かっ!?」
がばっと斎藤は起き上がり、急いで刀を取りに行こうとした。
「……違うか」
少し恥ずかしそうにした斎藤は障子を開けた。
「今……今何時だ!?」
「あ、もうすぐ朝餉の時刻みたいです」
斎藤は顔をひきつらせて手拭いを片手に井戸へと走った。
(寝坊してしまった……)
「あ、斎藤」
「副長おはようございます。少し起床が遅れてしまいました」
土方が首を傾げ斎藤に聞いた。
「総司が起こしに行ったはずだぞ」
「……え?」
(来てないはずだが……)
来ていたら確実に起きていたはずだ。
声もかけられていないし、触られてもいない。
「そういや様子がおかしかったけどな」
「そうです……あっ!?」
斎藤が急に大きな声を出したので土方は驚く。
「どうしたんだよ」
「……そうだった」
俺は三木の隣で寝てたことをすっかり忘れていた。
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