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「総司、俺と決闘しろ!絶対俺が勝つ」
「遥ちゃんが決めたんだから文句言わないでよ。遥ちゃんは一君より私のほうが強いって思ってるんだから」
斎藤の顔が段々と真っ赤になっていくのを見て、遥は冷や汗をかく。
「いいから決闘しろ!今すぐにだ」
「嫌だよ。結果見え見えじゃん」
斎藤はにこにこ微笑む沖田に向かって刀をつき出した。
「斎藤さん、刀しまって下さい。決闘なんかしてほしくないです」
慌てて遥が止めるが、斎藤の勢いは収まらない。
「結果見え見えだと?絶対自分が勝つって言ってるのか!?」
沖田が斎藤を見て面白がっているので、遥は間に立った。
「土方さんに言い付けますよ!!」
そう言うと斎藤は刀を静かにしまった。
「納得がいかない」
「遥ちゃん、一君なんてほっといて帰ろう!」
沖田が遥の手を引いて歩き出すと、斎藤が小さく舌打ちした音が聞こえた。
(斎藤さんかなり怒ってる)
なのに沖田は満面の笑みで、足取りも軽やかだ。
先程のことなんて無かったように思えてしまうほど。
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