満月

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「東京とは何処だ?嘘偽りは申すな」 「東京は東京ですよ」 東京が分からない者がいるのだろうか。 おかしなことを口にしているのは彼であるのに、本人は真面目に聞いてくる。 (どうすればいいの……) 「本当の事を言え!!」 「本当に東京ですってば!!」 斎藤は刀を抜くと、遥の首元へ向けた。 刀が月の光を反射し、物凄く不気味に見えた。 「斬るぞ」 逃げようとするが、刀を首元にやられて身動き出来ない。 「斬らないでください……」 恐怖でぽたぽたと涙が零れる。 「姿もおかしい」 「あなたもおかしいですよ!!刀持ってるし!!」 「……」 何故、これほどに話が噛み合わない……。 まるで違う生き物のようだ。 斎藤は遥を見てため息をついた。 「仕方ない。屯所へ連れて行こう」 (危険だ!!) どこかへ連れて行かれると気づいた遥は、隙を見て斎藤の前から逃げ出した。 「こんなの絶対夢に決まってる!!」
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