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「え、わたし、なんで?」
どうがんばっても、もじがよめません。すると「わたし」があたまをなでてくれました。わたしがいつのまにかないていたからです。
「なんで? わたしはあたまがいいんだよ? がっこうでしゅせきにもなったんだよ? なのになんで?」
めからなみだがあふれてきます。でもわたしはそれをとめられません。いままでできたことができなくなってかなしくなってしまったのです。
「あはは、ごめんごめん。そこまで泣くとは思わなかったよ。じゃあそろそろ戻してあげる」
「わたし」がつくえのうえにあったりもこんのぼたんをおしました。
「もう一回読んでみなよ」
「わたし」が、さっきのれぽーとをわたし、にてわたしまし…… 私に手渡した。
「身体の動作は異常なし。ただ体が小さくなったためか周りが大きく見える。幼児の視点での経験は珍しいので、この記憶は貴重なサンプルとなる…… あれ、読める」
読んでいるうちに涙も引っ込んでいった。
私はなぜ自分で書いたレポートも読めず、それを読めないだけであんなに泣きじゃくっていたのだろう。まるで本当に幼児になった気分だ。
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