栗宮学の人外性

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   寒い。  昨晩から降り出した雪により、足場が不安定だ。  こんな寒い日の深夜に外出なんて、誰かに強制でもされなければ、絶対にしない。  だけど。  十五分前に行われたジャンケンにより、二分の一の敗者に選ばれてしまったのだから仕方がないのだと思う。  敗者が夜食のカップラーメンを買いに行く。  そんな、罰ゲームつきのジャンケンだった。    そうして、二十四時間営業のコンビニエンスストアに向かってせっせと歩いているのである。  黒いコートのポケットに手を突っ込みながら、防水加工の施された靴に雪の擦れる歌を歌わせ、歩いている。  雲に覆われた寒空からは、ちらちらと雪が舞い降りる。  その雪を降らせる雲に遮られた月光は、僕のもとへ届かないので、心もとない電灯の光と、たまに通る車のライトだけが、僕の心のよりどころだった。  徒歩二十分のコンビ二まではもう少しだ。  コンビニにたどり着いたら、暖かい暖房の効いた店内で一休みしよう。帰りは缶コーヒーのぬくもりを頼りに帰ろう。  そんな思いが僕の歩幅を大きくさせる。
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