第一章

8/15
前へ
/93ページ
次へ
俺は重い荷物を持って、屋上に向かった。ハァァ、と深い溜め息を吐きながら。 この学校の中で、落ち着く場所は…唯一、屋上くらいだ。 荒々しくドアを開けて中に入ると、心地よい風が勢いよく吹いた。 その風のせいで、屋上にちらつく砂が目に入った。 「…痛ぇな」 チッ、と舌打ちをしてしまった。 昔なら、こんなことで苛つくような短気じゃなかったのに。 いつから俺まで変わってしまったんだ? はっきり言って、…捻くれている。 昔なら、もっと純粋で誠実だったのに…いつからなんだ?
/93ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加