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家に着くと、ピリッと辛いカレーの匂いがしてきた。
「…ただいま。」
「おかえり、遅かったわね。」
優しく微笑んだ母さん。
優しく微笑む母さんは
昔と変わらないな、と思った。
「…今日の夕飯は、カレー?」
「そうよ。…悠馬、小さい頃好きだったじゃない?」
「うん、まぁ…。」
捻くれてる俺でさえ、産みの親、育ての親には優しくなる。
「父さん、いつ帰ってくるんだろうな。」
「…いつだろうね。」
母さんは、父さんの話になるといつも俺には曖昧な答えしかくれないんだ。
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