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数日後――。
怪我人生活を無事終えたクルスは、宮殿にある自室へと強制連行される事となった。
軟禁用の牢獄にリフォームされたクルスの部屋は、ベッドや机こそそのまま残ってはいたものの、本棚等の類は全て無くなっている。窓には無骨な格子が打ち込まれ、ガラスを割っての脱出は出来ないようになっていた。
ベッドにクルスが座り込んだ時、扉の鍵がガチャンと閉まる。外側からのみ施錠する事が出来るよう改造されたおかげで、こちらから開ける事は出来ない。
沈黙した扉を見ながら、クルスは「ふう」と息を漏らした。今、自分の首には十字架はぶら下がっていない。クルセイダーのコートごと没収され、宮殿の倉庫で自分と同じように監禁されている。力付くでは、脱出する事は困難だ。
あの自問自答以来、クルスの中では異様な何かが渦巻いていた。自分が今戦うべき敵はなんだ? その答えが出て来そうで、未だにはっきりとは出て来ない。いや正確には、その答えを導き出す自分が、かなり怖いだけなのかもしれない。
そうこうと悩み苦しんでいるうちにも、刻々と時は流れていくのだった。
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