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酒によって引き起こされるどんちゃん騒ぎの勢いは、眼前にて次第にエスカレートしていく。
「おおっ、姉ちゃん、お前、結構飲めるねえ!」
別の席にいた農夫も、いかにも酒臭そうな口を開いた。
「そういやお前、その格好、北方の修道女みたいなやつでねえかい? いいんか? そんな大層な子が、そんなエロい姿で酒飲んじまって」
その問いに、カミラはからっぽの三杯目をテーブルに置きながら、朱に染まった頬で答えた。
「いいのいいの、全く問題無いわよお。
神様は言っていました。お酒を飲む事によって過ちや災いが起こり、神の崇拝の妨げになるであろうと。
しかぁし、それはあくまで『過ちや災い』が起こる事そのものが問題なのであって、酒は必要十分な条件にはなりません。つまり、酒はいくらでも飲んでしまって構わないのです! 問題さえ起こさなければっ!!」
いまにも起こしそうな雰囲気であるが。
しかし、農夫達はその答えに歓喜して、なおのこと喧騒のボリュームを上げたのであった。
「ったく、なんというバイタリティだ」
新しく差し出されたミルクティーに砂糖を加えながら、呆れた様子でクルスは呟いた。
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