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ソフィもまた、「えへへ」と笑いながら頬を掻く。
「彼等は酒と豊作と楽しい宴会さえあれば、他に何もいらないようですね」
「全くだ。この村には教会が無いというのに、あの楽しさは本当に異常だ」
甘いミルクティーを啜りながら、クルスは今度は酒場の外を見た。
そうなのだ。この村には、聖天使教会の教会が一切存在してないのである。そのため、初めて自分達二人がこの村に訪れた時、クルスは同じく教会に縁の無かった、かつての故郷の姿を思い浮かべていた。
今、窓の向こうに広がるのは黒。そこには遅くまで続く酒場の喧騒など一切無く、微かな月明かりだけが支配する夜の世界となっていた。
ここで、ソフィが口を開く。
「教会、と今言いましたね? あの方も呼ばれてましたが、やはりあなた方は、北方にあるという宗教の方々だったんですか?」
その問いにクルスは、些か怪訝を孕ませながら答えた。
「? そうだ。そういや、ここの人には言ってなかったな」
言い終え、クルスはまた激甘のミルクティーを流し込む。その時、彼の頭にある提案が浮かんだ。
「そうだ。ソフィ、この村も、聖天使教会に入ったらどうだ?」
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