永久寝―とわね―の間

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 謎の罠から落下し、どれほどの時間が経ったのだろうか。意識を取り戻したクルスはまず、自分が仰向けになっていた事に気付く。 「ここは……どこだ?」  不思議な空間だった。天井は一面の闇に塗り潰され、その高さを推し量る事は出来ない。その闇から降り注ぐ無数の柱が青白い微光を放ち、地上とは異なる奇怪な雰囲気が辺りに広がっていた。  とりあえず、クルスはその場から起き上がる。落下した拍子で元の姿に戻ってしまった十字架を拾い上げ、まずは周囲の探索をする事にした。  夜闇の彼方へと頻りに手を伸ばす柱が立ち並ぶ謎の部屋を、クルスは歩く。柱の放つ光は意外と明るく、足元が暗くて困るという訳では無い。  ――しかし、この部屋は一体なんなんだ? それに、これらも……ただの柱じゃなさそうだが。整然と直立して列を成す柱の一本に、クルスは目を止める。  触れてみるとひんやりしていて、ガラスのような透明な外殻の中を、水のような液体が詰まっているようだ。中でぽこぽこと泡が立ち、黒い天へと昇っていくのが分かる。  だが、その柱の中に入っているモノを見て、クルスは我が目を疑った。
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