永久寝―とわね―の間

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 一瞬、そいつが何を言っているのか理解出来なかった。  自分の大切な故郷を奪い、護るべき人々の命を奪い、数多の人達を恐怖と失意のどん底に陥れた、あの忌まわしい怪物共を生み出したのは、他でも無く自分達聖天使教会だと?  黒天使からか弱い民衆を護り、戦う存在だと信奉してきたクルスにとって、それはなんとも信じ難く、許し難い内容だった。  例えそれが、冗談めいたものであったとしても。 「ふざけんなああああああ!!」  柱から飛び出し、クルスは激昂のままにルシへと直進した。今や理性など完全に明後日の彼方へと消え、彼の走りを止めるものはどこにも無かった。  さっきまであれ程警戒していた斬撃波をたやすく振り払い、クルスはルシへと憤怒の刃を振り下ろす。  しかし、その攻撃が刀に触れた途端、青白く光る刃がクルスを弾いた。自分の身体ごと、彼は背後へと跳ね飛ばされる。  肉薄されるその刹那、ルシは刃を二度撫でていた。その際刃に付与された絶大な力は、クルスを弾き飛ばすには十分なほどのエネルギーを秘めていたのだ。  背中から転がるクルスを見ながら、ルシはさらに言い放つ。
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